ビーコンを使う理由と使わなくなった理由

みんな大好きスプラトゥーン
無印でも2でもジャンプビーコン(以下ビーコン)を愛用していたけれど、だんだんと持たなくなったなぁとふと思った。
なのでその理由を書いてみる。
とりあえずどこかには残しておきたい。

ビーコンを使う理由

正直なところ、ビーコンは他のサブウェポンに比べるとマイナーだし目立たない。
リザルトに直接反映されるギミックが全くない。
ならなぜそれを積極的に持とうと考えたか。

それは、ゲームのルール・仕様に対して、ビーコンでできることが非常に有利であると考えたからである。

その理由を考える上で、次の2点から考えてみる。

スプラトゥーンはどんなゲームか

スプラトゥーンってどんなゲームなの」と聞かれたとき、どう答えるか。私は次のように考えている。

  • 4対4で実施する陣取り合戦

これについては、やり始めたときから今でも変わらない。
また、どのルール、最終的な勝敗条件によらず本質的にはこれだと思っている。

ビーコンは何ができるか

ビーコンは何ができるか、単純な仕様の話をすれば次の通りである。

しかしながら、スーパージャンプというアクションの仕様を考慮して言い換えると、次のようになる。

  • 味方のビーコンが置かれた位置に安全、確実、迅速に移動できる

ただし、移動後が安全かどうかは別。
あくまでも道中の危険を考えなくていいよねという話。

そして、ビーコンを設置する側は上記のような味方の移動先を作れるということになる。

では、なぜそれが強いと思ったのか。

人数有利を作りやすい

陣取りゲームで勝つためには何が必要か。
陣取りゲームの流れは、特定の場所に対して

  1. 索敵
  2. 移動
  3. (既に敵がいれば)殲滅
  4. 占領(塗り)
  5. 陣地構築(後衛の配置等)
  6. 防衛

といった流れになると思う。
これらの行動を取る上で、相手より優位なるために重要なことは相手との人数差である。
戦いは数だよ兄貴。

ここでビーコンの仕様を思い出すと、取りたい場所の近くに置くことで、そこに対して味方を安全、確実、迅速に送り込むことができる。

つまり、取りたい場所に対して人数有利を作りやすくなる。
実際、適切に置かれたビーコンと意図を組んでくれる味方が合わさると非常に強い。

実は指揮系統としての役割がある

主に野良での話。*1
そもそも指揮系統の仕事は何か。
味方に指示を出すこと、もっというと、指示を出した結果として他人を動かすことである。

スプラトゥーンの仕様上、他人に指示を出すことはできない。
しかしながら、ビーコンを置くことでその場所に他人を動かすことができる。
指示を出すことと同じ結果を得ることができるため、結果として指揮系統として機能することができると考えている。
「ナイスビーコン!」と言っているその先には、「計画通り」とニヤリとしているビーコン使いがいる。たぶん。そうかもしれない。

…と、やや飛躍した内容ではあるけれども私はそう考えている。
また、よほどの実力差がない限り統率の取れた集団のほうが強いのは明らかであるため、上記の人数有利を作ることよりも重要な役割だと思っている。

なぜ持たなくなったか

以上のようにビーコンを褒めてきたが、なぜ持たなくなったのか。
システムや仕様、試合の流れ、プレイヤー傾向等からビーコン持つ必要がないと思ったことが原因。

システム・仕様

システムや仕様の観点から考えると、ビーコンはそれほど強くない。
強くないというより、「あえてビーコン持たなくていいかな」という要素がある。

マップが狭い

何よりもこれ。
ギアパワーを考慮しない場合、前線へ辿り着く時間はイカ状態で泳いでいくのとビーコンに飛ぶのとでは数秒しか変わらない。*2
もちろんその数秒で状況が変わることもあるし、最大5分の中の数秒は貴重である。
しかしながら、道中SPを貯めたり、索敵したり、自陣塗りをしたり等を考慮すると、「あえて飛ぶ必要はないかな」という状況が度々発生する。
むしろ場所によっては飛ばない方がいいということにもなる。悲しい。
とはいえ、今よりもマップが広ければビーコンは強すぎるし、必須のサブウェポンになってしまう。
なので、「あえて選ぶ必要がない」今の状況はいいバランスなのかもしれない。

味方にスーパージャンプできる

ビーコンはスーパージャンプをする場所ではあるが、それはマップ上の味方も同様である。
また、味方にスーパージャンプするのも、ビーコンにスーパージャンプするのもそれぞれメリットデメリットがある。
ビーコンか味方か、それぞれスーパージャンプする先の選択肢の一つでしかない。
それならば、別のサブウェポンを持って戦線に影響を及ぼした方がいいといった考えにもなる。
あえて持つ意味が薄くなってしまう。
とはいえ、味方にジャンプできない仕様ならそれもまたビーコンが強すぎることになってしまうし、選択肢を増やすことに留めている今の仕様はバランスがいいとは思う。

ちなみに、無印の仕様におけるステルスジャンプは完全にビーコンをいらない子にしていた。
なのであの戦法は大嫌いだったりする。

使用回数が有限

現行の仕様*3では、1つのビーコンへスーパージャンプできる味方の数は2人である。*4
初期仕様の1人に比べればマシではあるけど、やはりネックになっている。
というのも、この仕様により発生する事象は

  1. 「使ってもいいのか」と味方が遠慮する*5
  2. 人数有利が継続し辛い
  3. そのため細かなビーコン管理が必要

などである。
1.については、味方が使ってこそ強いビーコンなのにそれを使わなくなるため、強くなくなってしまうのは必至である。
2,3.については、ビーコンを置く係の戦線離脱に繋がり、結果として人数互角どころか下手をすれば不利になる。
*6

もし使用可能回数が無限だったら強すぎるのは言わずもがなだが、せめて時間制限で無限、またはもう少し使用可能回数多くても良かったかなとは思う。

試合展開

ここから先は特に、実際に自分がプレイをする中で感じた感想。
しかも「全体的にこんな感じがする」というふわっとした感想。

まず、試合展開に関して。
スプラトゥーンの試合展開からして、ビーコンが役に立つことはあまり多くないなといった印象。

1試合の時間が短い

その理由の一つとして、1試合の時間が短いことが挙げられる。
どのルール、ステージでも「取りたいポイント」というのはいくつかあるわけだけど、数分の間にそのポイントに対してビーコン置いて、戦闘して、占領して…などと悠長にはやってられない。
より「相手を倒せる」「防衛ができる」サブウェポンを選択した方がいいとさえ思う。

戦況が変わりやすい

狭いステージと短い試合時間、また、それらを成り立たせるための各種調整を考慮すると、必然的に戦況が目まぐるしく変わる。
ゲームスピードが早いともいう。
それに対して、ビーコンは一度ビーコンを置くという作業が発生することから展開が遅い。
試合展開に合わせて対処療法的にビーコンを展開していったのでは追いついていけない。
もちろん、それを見越して数手先を読んで設置していくことが大事ではあるのだけど、その数手先を読んで置いたビーコンの意図を味方が汲み取るかといったら話は別である。

見える景色が違う

ビーコンを持たなくなって気づいたのだけれど、ビーコンを前提とした立ち回りと前提としない立ち回りでは見える景色が全く違う。
なので、味方がビーコンを使わない、ビーコンに気付かないのは仕方ないと感じた。

プレイヤー傾向

正直なところ、ビーコンが強くないのは仕様云々や試合展開云々より、プレイヤー傾向のミスマッチが大きいと思っている。

定石の流布と固執

前のエントリにも書いたけど、多くのプレイヤーは強い誰かの発言に右へ倣えである。
さらに言うと、それに固執する。
これにより、良く言えば指揮を取らずとも統率が取れているのでビーコンは重要でない。
しかし悪く言うと、定石に縛られて臨機応変に対応ができない。
それに対し、ビーコンは定石通りに置くのではなく、基本機能と役割を把握した上で状況に合わせて臨機応変に置く必要がある。
なのでこの状況とは非常に相性が悪い。
さらにいうと、ビーコンがマイナーサブであることも相まってあらゆる定石はビーコンを前提としていない。
もはや持たないほうがいいのではとさえ思えてくる。
悲しい。

集団よりも個人の力量

スプラトゥーンはチーム戦だ!
という主張はよく見かけるが、結局のところ個人の対面での力量が大きな要素として見られている。
というか、「チーム戦だ!」の内容も「周りをよく見て味方に合わせましょう」なので、結局は「味方に合わせる力」という個人の力量だしね。
それに対してビーコン、特に指揮系統の役割として使う場合は、集団をどう動かすかという前提で考える必要がある。
そもそもの前提が食い違っているのでどうしようもない。

ビーコンに気付かない・使わない

今までの中でも述べたけど、ビーコンに気付かない、使わないプレイヤーが多い。
使ってくれるプレイヤーの方が圧倒的に少ないほど。
味方にも使ってもらってこそのビーコンなので、そんな状況では活躍しきれないのは火を見るより明らかである。

まとめると

以上のようにいろいろ書いてきたが、まとめると次の通りである。

  • ゲームのルールとビーコンの仕様を考えると超強いと思ったが、実際使ってみるとそうでもない環境だった。特にビーコンの強さ、価値がプレイヤー間で共有されていない状況ではむしろ弱い。

一言で言うなら、

  • 色々と思ってたのと違う!

である。
まぁ、そんなときもあるよね。

今後強くなる、または流行るか

ない。

今後仕様が大きく変わるほどのアップデートは来ないであろうということもあるが、それ以上にプレイヤーの傾向と噛み合ってない。
逆にプレイヤーの認識が変われば十分活躍できるポテンシャルはあるので、有名実況者やプロゲーマーがビーコンの魅力を説き続ければ流行るんじゃないかな。
なんでもそうか。

最後に

ビーコン愛こじらせた結果がこのクソ長エントリだよ。
さくっと終わらせるつもりだったのにどうしてこうなった。

まぁ、なんだかんだ言いつつも、ビーコンと味方が噛み合って試合をコントロールするのは非常に楽しい。
あの快感は全プレイヤーが味わうべきだと思う。

次回作にも実装されてほしいな……

*1:ガチマも該当するよ。リグマは別。

*2:具体的な検証をした人がいた気がする

*3:Splatoon2 ver.5.1.0

*4:ビーコンブキ以外が2回スーパージャンプすると壊れる

*5:以前に比べればマシだけどやっぱりいる

*6:もちろん、そこを卒なくこなしてこそのビーコン職人ではあるのだけど…